カーナビは行くよ、どこまでも・・・。

何ヶ月か前にカーナビを取り付けた。
そもそも私は車で遠出するようなタイプではない。基本は通勤。休みにはコンビにと本屋くらい。それではカーナビをつけて何の意味があるのかと言われるだろう。しかし、むしろ車で普段からうろうろしないからこそ、活動範囲外の道路状況を全く知らない私のような人間にこそ、いざという時にはカーナビがあると便利なのではないか。
必要となる機会がいつ訪れるのか皆目見当もつかないが、例えば、絶世の美女が突然目の前に現れて、ドライブにでも行こうかという話になったとき、道が全く分からないが故に振られてしまうような事態があってはならないので。まぁ、備えあれば憂い無しというやつですね。特に人前で晒す予定がなくともパンツは綺麗なものをはいておく、という精神と通じるものがあるな。


で、店に行ってみると、値段はピンきり。どんな機能が必要なのかよく分からないので実験的に安いのでも良かったのだが、とりあえず視界が狭くなるのが嫌だったので、埋め込みタイプを希望。…きりの値段の選択肢が消滅いたしました。
私「DVDとか運転中に見ませんから、もっと安いので。」
店「いや、今はどれにもついているんですよ。」
私「ワンセグとかもいりませんから。カーナビだけでいいです。」
店「いや、今はどれにもついているんですよ。」
私「そんなものついていなくていいから、その分安いのはないんですか?」
店「いや、今はどれにもついているんですよ。」
私「ふーん。で、ワンセグって何ですか?」
店「えーと、つまりですね。セグっていうのが全部で16あるんですけど、そのうちの一つを使って…(以下略)」
私「つまり、ワンセグってテレビのことなんですね?」
店「…まぁ、だいたいそんなもんです。」
私「でも運転中にテレビ見ませんから。だって、見てたら危ないでしょう?」
店「いや、今はどれにもついているんですよ…。」
私「そう。じゃ、しかたないね。で、オススメとかありますか?」
店「少し高いですが、これはどうでしょうか。他社のものより、GPSの精度が圧倒的にいいんですよ。」
私「他の機種だと、位置が掴めないんですか。」
店「いえ、そんなことはありませんが、やはり精度のおちるものですと、例えば狭い裏道とか高さの違う道路が併走しているところとかでは、時々隣の道を指したりすることもありますので。」
私「そのくらいのズレは構いませんよ。某中国船のGPSみたいに400Mもズレるわけじゃないんでしょう?」
店「さすがにそんなにはズレませんよ。」
私「ですよね〜。それじゃ、もう少し安いので…。」


そのような不毛な会話を店と繰り返して、ようやく購入。取り付けまでの2時間余りは放置プレイ。近くにあるのはコンビニとラーメン屋とカー用品屋。週刊誌はあらかた読みつくしていたので、単行本も立ち読みできる1.5キロくらい先にある別のコンビニまでてくてくと歩いて行く。道中半ばにして大雨になってしまったのは、雨男のJOBを装備している私にはもう仕方のないこと。コンビニに到着したときにはほとんど止んでいたのも、これも仕方のないこと。


それでまぁ使ってみると、なんとも使いにくいことで。あまり大きくないキーが画面上にたくさん表示されているため、キー操作をするときに指の一部が他のキーにも触れ、こちらが思っているのと違うキーに反応するのだ。他には、車のエンジンをかけてから起動するまでに15秒近くかかるとか。運転中は操作をしないようにしましょうとか言ってるが、運転中に操作させたくなければ、もっと速やかに起動しなさい。
その他にも操作法で分からないところが多いが、それはまぁ、あのバカみたいに厚い説明書の隅から隅までを読んでいないからということで…。
しかし、それらの不満が実は些細な問題であるということが発覚したのは、購入して数日後のことである。
とにかくカーナビが車の位置を割り出せないのである。それでも今までは、運転し始めた直後は見つからなくとも、そのうちGPSの電波(?)を拾ってくれて地図上の正しい位置に戻っていたのだが、この日はとうとう、会社につくまで位置を見失ったままで、地図上では会社と真逆の方向へとひたすら進んだことになっていた。通勤においてカーナビを見る必要は特にないのでこれまであまり注意していなかったが、それ以降よく見ていると、とにかくカーナビ上では、まったく違う方向へ進んでいることが多いことが判明した。
駅の構内に突っ込む。工場の敷地内を突っ切る。道なき山を頂上まで突っ走る。海を越えて島まで突き進む。とにかくやりたい放題である。そのうち、通常の活動圏内の移動だけで果たしてどこまで行けるのだろうかと、カーナビを見るのが楽しみになった。とにかく、3回に1回はエンジンをかけた瞬間から違う位置にいるし、5回に1回は会社に到着するまでの間に正しい位置を割り出せないままだし、20回に1回くらいは正しく走っている途中で突然違うところへ瞬間移動してしまうし。これらがうまく複合すれば、思いもしないところまで行ってしまうのではないか。
私の住んでいるところは本州の西端の県だが。まず、屋久島の西方2kmくらいの位置への瞬間移動を目撃した。気がつけば長野県の山奥を走破していた。皇居をかすめたこともあった。ついには、北朝鮮の東100kmくらいの海上を漂流するに到って、とうとう私はこの遊びに興味を失ってしまった。外国の領海にまで行ってしまっては、これから先どこへ瞬間移動したとしても、もはやこれ以上に感情を揺さぶられることはないだろうから…。


買った店に文句を言えば無料で修理に出してくれるだろう。しかし私はそうしなかった。とりつけるのに2.5時間も放置プレイをさせられたのだ。この上また外すのに同じくらいの時間。さらに修理から帰ってきた機種をとりつけるのにまた同様の時間の放置プレイをさせられることに耐えられないだろうから。


今はもっぱら、テレビとして利用している。カーナビを買ったのに、テレビとしての価値しかないのだ。もしも私が車の運転中に事故を起こしたなら、このブログを見ている人は証言して欲しい。
「ああ、それはカーナビがおかしかったからだよ」と。






何ヶ月か前に、携帯電話を買い換えた。今までの携帯で満足していたのだが、バッテリーそのものがそろそろ限界なのと、第二世代の携帯電話は2010年にはサービスそのものが停止してしまうからだ。
私「インターネットとか携帯で見ませんから、もっと安いので。」
店「いや、今はどれにもついているんですよ。」
私「ワンセグとかもいりませんから。電話とメールだけでいいです。」
店「いや、今はどれにもついているんですよ。」
私「そんなものついていなくていいから、その分安いのはないんですか?」
店「いや、今はどれにもついているんですよ。」
私「ふーん。で、ワンセグって何ですか?」
店「えーと、つまりですね。セグっていうのが全部で16あるんですけど、そのうちの一つを使って…(以下略)」
私「つまり、ワンセグってテレビのことなんですね?」
店「…まぁ、だいたいそんなもんです。」
私「でも携帯でテレビ見ませんから。目が悪くなるでしょう?」
店「いや、今はどれにもついているんですよ…。」


多分、日本が不景気でものが売れないのは、日本のメーカーがまともなものを作れていないから。だから消費者の購買意欲が沸かない。ただそれだけのことなんだろう。

不景気過剰反応症候群

旧正月も)明けましておめでとうございます。

 今年の流行語大賞は早くもこれで決まりなのではないかと思えるくらい、「不景気」という言葉ばかり耳にする。それを最も感じさせるのが、派遣社員の解雇の話題ではないだろうか。なるほど、確かに多くの人が職を失っているのだろう。しかしながら私が思うところ、今の不景気は「普通の」不景気であって、決して「100年に一度の」不景気ではない。
 そもそも、なぜこんなにも派遣社員が世の中に多くいたのだろうか。私が大学を卒業したばかりの頃からの数年間、やたらと派遣社員になりたがる若者が多くいた。政府が派遣業に関する規制を緩くしたこともあって、派遣社員になることは流行であったように思える。私の周囲にも派遣という流行に流された者は多かった。曰く、職種や人間関係が気に入らなければ辞めて、また新たな派遣先を紹介してもらえる。曰く、思い責任を負わずに済む。曰く、お金が溜まったら辞めて、またお金が必要になったら働けばいい。良く言えば、一つのことに捕らわれずスマートな人生設計であるが、要は浅はかな根性なしである。実際まともな若者は、色々な会社に派遣されながらも、自らに適した仕事を見つけると、いつの間にかちゃっかりと正社員になって居座っていたりする。で、残された軽薄にーちゃんねーちゃんたちの多くが職を失ったわけであるが、考えてみれば当たり前のことである。
 しかし考えが浅はかであったとしても、現在失業して苦しんでいるのを放っておくわけにはいかない、と思う人もいるかもしれない。しかし彼らのほとんどは困ってはいないのである。なぜか。その世代の若者であれば、大抵はまだ両親が健在である。そこで彼らは実家に帰り、時々携帯電話で派遣元会社に電話をして次の派遣先が見つからないかどうかを尋ねるだけで、その実はニート生活を謳歌しているに過ぎない。そうでないとしても、直ちに職を見つけて収入を得ないと食うところにも寝るところにも困るという状況では決して無い。何か資格をとるための勉強でもぬくぬくとしていれば、親も本人も不景気の犠牲者だというスタイルを保つことが出来る*1
 もちろん、だからと言って失業対策をしなくてよいと言っているわけではない。実際に寝るところも食べるものもなく、困っている人も多い。ただ私が言いたいのは、決して「100年に一度の」不景気ではないということだ。「失業者数」は過去に例を見ないほど多いのかもしれないが、「失業して困っている人の数」で考えるなら、恐らく通常の不況と同じ程度だろうと思っているのだ。


 マスコミはバカだから騒ぎすぎ。それが却って不況に拍車をかけているのに。


 世の中には人手不足の業種など山ほどある。本当に仕事がなくて困っているなら、是非そういう業種に就業してほしい。ワーキングシェアなどしなくとも、五体満足ならば働き先はいくらでもある。個人的には船乗りになってほしい*2

*1:本来、社会に出てからとる資格や免許というものは、仕事の合間を縫って、わずかな睡眠時間を削りながら勉強してようやく得られるものだ。派遣元に電話をかけるだけで就職活動している気分になって勉強時間に専念できるものは、勉強することを否定するわけでは決してないが、少なくとも学生気分の勉強姿勢であって、社会人の勉強姿勢とは意気込みが全く異なる。

*2:漁船でなく、タンカーな。

無駄を省く。

 来年からいよいよ裁判員制度が始まる。我が家には一通も来なかったが、既に通知が届いている人もいるらしい。
 それにしても、この欠陥だらけの制度を、よくもまぁ国が行う気になったものだとあきれてしまう。なぜ法の素人に有罪か無罪かの決定権の一部を与えるのだ? 医者が素人に手術を手伝わせるか? 船乗りが素人に船の操船をさせるか? 裁判官に世間一般的な感覚が抜け落ちているというのならば、それは裁判官自身が勉強すればよいことであって、そこに素人を、まして参考程度に意見を聞く程度のものでなく、決定権の一部を与えるなど、とても正気の沙汰とは思えない。
 仮に決定権がなくとも、裁判官が素人の意見を聞くことそのものに問題がある。これは、例えばメーカーが一般の人の意見を聞いて商品の開発や販売の参考にするのとは根本的に異なる。なぜならメーカーは一般の人の要望に応えることが商売すなわち仕事であるのに対し、裁判官は法に基づくことが仕事なのだ。世間の顔色を窺うのが仕事ではない。おそらくほとんどの裁判官はそれを心得て、マスコミの無責任な煽りによって判断をゆがめることがないよう肝に銘じ、法に殉じて判決を下しているはずだ。ところがここに、無作為に選ばれた素人集団の判断が判決の結果を左右することになるとどうなるか。彼らはおそらく、自身の意見が知らず知らずのうちにマスコミ等の影響を受けていることに無自覚であるし、自らの主義主張によって事実を自己の中で歪曲してしまう可能性について無自覚であるし、相手の性別や容姿・仕草などによって無意識に贔屓してしまう危険性についても無自覚である。
来年は日本の裁判制度崩壊の第一歩の年となるであろう。


不況と高齢化で、国の財政はますます苦しくなっている。与党も野党もマスコミも国民も、無駄な支出をなくすべきだと毎日声高に主張している。それにもかかわらず、裁判員制度の開始は順調に目前まで迫っている。裁判員制度を浸透させるための啓蒙活動にここまでつぎ込まれた費用はどれほどか。裁判員に選ばれた人からの質問あるいは精神的ケアにこれから注がれる費用はいかほどか。裁判員制度を成り立たせるためのシステムや裁判員に選ばれた人への日当などの経費はいくらになるのか。企業だって、選ばれた社員に休みを与えなくてはならないのだから、必然的に生産能力は落ちる。
私は裁判員制度は悪法だと思っているが、良い制度だと思っている人ももちろんいるだろう。しかしそれにしたって、良い制度だと思っている人が国民の8割9割を占めるとは思えない。それならばその費用を医療や福祉に回す方がはるかに良い。財源さえあるならば、医療や福祉に予算を回すことが良いことだと思う人は、きっと国民の10割近くであろうから。

責任はどこに?

我が家の台所には、とにかくGが出る。大きくて黒々としたヤツではなく比較的小型の種なので、そこまでの存在感はないものの、夜に電灯を点けたりすると、流し台の中からまな板の上からコンロの下から水屋の傍から電子ジャーの隣から冷蔵庫の付近から台拭きの影からワサワサと現れては逃げ出すのだ。だいたい、一度の点灯で4匹以上は見かける。食べ物や食器の近くなので初めのうちは遠慮していたのだが、最近では構わず殺虫剤を振りまくようになった。とにかく個体数を減らさなくては増殖の一途を辿ってしまうのは明らかだからだ。



食品から高濃度の殺虫剤が検出される事件が最近頻繁に起こっているが、少なくとも我が家でそのような中毒が起こったとしても、どの時点で混入してしまったかの判別は恐らく不可能なのである。

ちょっと古めの時事ネタ3件

=ガソリン値上げ

暫定税率が廃止となったときは、現在の在庫は廃止前のものだからすぐには値段は下がらないとか言ってたけど、上げるときはその月の初日から値上げしてるのな。ひどいところはその前日からじわじわと値上げしてた。



船場吉兆

どうしてそんなに毎日食べ残しを利用できるほど食べ残しが出るの? 高級料亭を利用するのは接待とかで、ネクタイ締めて食う飯は美味くないからだろうな。でも出された食べ物を残さず食べるのは日本人の美徳のはずだろう。



秋葉原の殺人事件

彼女がいないことが全ての原因だってさ。
気持ちが分からないわけではないが、そんな理屈がまかり通るなら、世の中には俺も含めて犯罪者ばかりだな。