お金にならない問題は解決が難しい

 夕食を摂りながらテレビ見てたら、漂流してきたゴミの問題をやっていた。国内の問題ならば規則や罰則を作ったりすることである程度の対応は可能だが、海を渡って流れてくるゴミとなると話は簡単ではない。なんせ、ゴミを出す国とゴミの被害を受ける国とが違うのだから、どれほど熱心に対応してくれるものか。しかも最も重要なことは、ゴミの処理には莫大な費用と手間がかかるにもかかわらず、それを行う機関には利益が出ないということだ。
 日本の海岸を汚しているのは圧倒的に韓国。次は中国である。しかしそれは、地理的要因のためであって、必ずしもこの二ヶ国が日本への嫌がらせのためにゴミを流しているわけではない。日本からのゴミはハワイやグアムを汚している。もしもアメリカ本土が日本のすぐ東にあるならば、アメリカ西海岸は日本からのゴミで埋まっているかもしれない。そこまで大袈裟になっていないのは、長い漂流時間の末にあちこちに散らばっているからに過ぎず、出しているゴミが少ないという意味ではない。なんにしてもゴミ処理にはお金がかかるので、他国のために積極的にゴミ問題を解決しようというのはかなり困難である。

 そこで私は考えた。お金の問題にしてしまえば各国ともゴミを出さないように心がけるようになるのだ。つまり、その国に打ち上げられたゴミの処理費用+迷惑料を、ゴミを出した国が罰則として支払うシステムにしてしまえばよい。そのためにまず国際的な中立の調査機関を設立し、その機関が各国の海岸に打ち上げられたゴミの量と種類を国を調べればよい。この場合、全ての海岸を調べる必要はない。なぜならゴミは海流や季節風に乗って海面を移動するのだから、現在の科学力でシュミレーションすれば、何箇所かを調査するだけでおおよそのところは把握できるはずだからだ。それに全ての海岸を調べていては、全てのゴミを撤去する以上の費用がかかってしまう。
 ただし、自分で言うのも何だが、これでは解決できない問題がいくつかある。まず第一に、廃棄物などを輸入し、その調査地点となる海岸に自らの手で敢えてゴミを撒くような国が出てくる懸念があること。第二に、ゴミ処理にかかる費用が物価によって差が生じるため、先進国が発展途上国を汚してもさして負担にならないが、発展途上国のゴミが先進国に打ち上げられたりしたら莫大な負担になるということ。本当は発展途上国ほど、自国内でのゴミ処理に費用を出す余裕がないのだが。

 なんにしても、ビニル袋をくらげと間違って飲み込んで死んでしまう亀とかもいることだし、漂流ゴミを減らす取り決めを世界的規模で早く考えるようにし、解決して欲しいと思う。けど金がからまない問題にしているうちは、50年たっても改善されないと思うけどね。