仕組みに問題があるでしょ。

 少し前の話なのですが、ある船が関東の方で接触事故を起こしたらしい。誰とぶつかったのかと、その話をしてくれた船員さんに訊いたら、なんと相手は海上保安庁の船とか。( ̄□ ̄;)!!
 ああ、絶対にこっちが悪者に仕立て上げられるやん…。
 今まで考えたこともなかったが、世の中には当然そういうことはありうるわけで、その事故の一方の当事者である海上保安庁が取調べ(場合によっては逮捕)を行うってのはどうなんだろう。何もこれは我々の業界だけの話ではない。私たちが普通に公道を車で走っていて事故を起こしたとき、もしもその相手がパトカーだったら…。例えばパトカー側の過失が大きかったとしても、果たして本当にそう評価されるだろうか。世間の目があるから極端に不当な捜査結果にはできないかもしれないし、もしもあからさまに不当な取調べ内容だったら逆に検察に訴えることも可能かもしれない。けれど微妙なところでは絶対にこちらが不利になるように仕立て上げられると思う。まして海の事故ともなれば、一般の公道と違って目撃者も皆無。船側に不利な事情聴取結果になっても、それにサインをしなければ船員はいつまでも取調べを受け続けることになる。船も証拠物件として押さえられたまま。そうなれば船はいつまでも動けないから、罰金程度で済むのなら船主側としても船員に非を認めるように圧力をかけざるを得なくなる。


 別に、実際にそのようになったなどと言ってはいない。その事故を起こした船も名前しか知らない船だし、その船の船員にも知り合いはいない。それに少なくとも、私の周辺で働いている海上保安庁の現場で働く人はいい人ばかりだ。しかし。そういう可能性と疑いが尽きることがないのも事実だ。やはり仕組みに問題があるのだ。警察や海上保安庁などが民間相手に事故を起こした場合は、捜査の初めから検察なり何なり、とにかく当事者以外の機関が捜査するようにしなくてはならない。それだけで確実に公正無比になる保証はないが、当事者の一方が捜査するよりはマシであろう。