痩せるのは○ やつれるのは×

 ベルトの穴を一つきつくしてもちょうどよくなった。素晴らしい。
 私は生来太りにくい体質なようで、高校の頃陸上部をやめた後も体重が少しも変わらなかった。女性並のウエストであるため、男性用のズボンをはいてもベルトで無理やり締め付けなくてはならず、女性用のズボンのほうがしっくりくるような体型だった。あの頃は、自身が太ることなんて考えもしなかった。回りの皆が中年太りに悩まされるようになっても、私だけは太らないと思っていた。
 しかし30も近づいてくると、さすがにそうもいかないことが判明してきた。太るというほどでもないが、やはり下腹部が出てくるのだ。少なくとも、未来永劫細身のままであるという幻想は崩れ去った。久しぶりに会う人からは顔が丸くなったと言われるようにもなった。今なんとか歯止めをかけなくては、太ってしまってからではもう痩せられないかもしれない。
 よし、ダイエットするぞ。
 ダイエット方法には様々なものがある。同じダイエット方法でも、体質とか脂肪の付き方とかによって効果の有る無しが変わる。摂取するカロリーよりもGI値の方が重要だとかも今は言われている。しかし基本はやはり、カロリーを消費することだろう。では、最も効率良くカロリーを消費するにはどうするのがよいか。そもそも人間は、生きているだけで一日に何千カロリーも消費するのだ。懸命に運動して数百カロリー消費量を増やしたところであまり効率的とは思えない。そもそも私はものぐさで、生活時間帯が不規則で、巻き爪なのだ。運動を続けるのはなかなか大変だ。
 そこで私が選んだのがストレッチダイエットだ。正式にそういう方法があるのかどうかは知らないが、一応私の理論では次の通りだ。体の各部の筋肉を伸ばすことで、その筋肉内の毛細血管までの道が開き、血液が体中に行き渡る。→つまり血液がエネルギーを体の細部にまで行き渡らせる。→体全体でのエネルギー消費量が増える。→日常生活の中で自然とカロリー消費が増える。しかもこのダイエット方法のよいところは、エネルギーが体中に行き渡ることで、体中に力がみなぎってくるということだ。運動選手が体を動かす前にウォーミングアップをするのと似たような現象だ(と思う。多分)。疲労回復にも効果がある。疲労とはそもそも、筋肉が無呼吸運動をすることによって生まれる乳酸が原因なのだから、血液が充分に行き渡るということは酸素が行き渡ることであり、当然疲労防止及び回復にも効果が見込める(はずだ)。
 そういうわけで、時間が許す限り朝の出社前にストレッチをする。時間があれば寝る前にもする。車の信号待ちの時だって、腕の筋肉くらいなら伸ばせる。消費カロリーが増えているので腹も減るが、一応ダイエットが目的なので、食事量は増やさない。
 私がダイエットをするのは見た目と健康のためなので、体重は量らないし、その必要はない。先日、「顔は丸いままだけど体は少しスリムになったね」と言われた。それで充分である。*1

*1:現在肥満の人が痩せるためならば、運動や食事制限も併用するべきであろうが。