無礼者、名を名乗れぃ!!

 明日から政治家たちはノーネクタイ・ノー上着になるとかならないとか。まぁ、日本においてわざわざ英国の正装で仕事しなくちゃいけない理由はないわけで、公務員はばんばん薄着になって、しっかり省エネに努めてください。え、私?ああ、うちの会社はどうせ作業服だから室内では脱いでるさ。でもネクタイは外せないねぇ。ネクタイ外すと現場と同じ格好だから事務員かどうか分からなくなるからじゃない?
 まぁ、政治家はともかく、官庁の人間は随分前からノーネクタイ・ノー上着化が進んでる。税関でも、窓口担当者だけは制服で、奥の方にいる人は結構好き勝手な格好している。まぁ、自由で構わないんだけど、気になることがひとつ。
「お前ら、なぜ名札をつけない。」
 市役所とか消防署とか郵便局とか、公務員は結構皆つけている。我々民間企業はお客様に覚えてもらわなくてはならないし、相手に失礼のないようにどこの誰かを明確にしなくてはならないので、名札をつける。名札を外してもシャツに縫いこんである。しかしながら私の周辺にいる官庁職員たちで名札をつけているところはただの一箇所もない。どうしてか。
 市役所のようなところは一般人を相手にするところだ。今のご時勢、変な応対をしようものならどういうことになるか。一般人は文句も言える。いざとなればマスコミと世論を味方にすることもできる。なんせ、公務員の失態や失言には皆が感心を示すのだ。そして、税金から給料をもらっているのにその態度は何事だ、となる。終いには大臣が出てきて頭頂部をテレビの前にさらす。ところが我々が相手にするのは、基本的に一般人相手の官庁ではない。企業相手の官庁なのだ。我々が逆らえないことを知っている。マスコミも取り上げない。マスコミはが好きな構図は「弱い個人」対「強い組織」なのだ。(中小企業であっても)企業は組織だから、官庁と対立したところで味方にはなってくれない。だから官庁はやりたい放題で、我々が仕事をする上で当然必要である「名を名乗る」という行為の一環である名札の着用すら行わない。そもそもそういう発想が無い。
 で、こういう官庁の職員はほとんどの人が一年か二年で転勤になる。毎年半分ほどの職員が入れ替わる計算だ。名札もついていない相手の名前なんてそうそう覚えられるもんか。相手がかわいい女の子であるなら話は別だが。
「それは、覚えられないんじゃない。覚える気が無いんだ。」
 そう言ったのは、私が入社して間もない頃の当時の課長*1。名言です。

*1:今は次長