現代の海賊

 多くの人が持つ海賊のイメージって、どくろの旗をかかげてたりとか、片手が鉤になった片目の男が乗っていたりとか、悪魔の実を食べていたりとか、そういう感じの場合が多くて、現代の本当の海賊ってのはあまりぴんとこないかもしれない。いや、現代になお海賊がいるということすら知らなかった人だっているかもしれない。しかし海賊はいるのです。マラッカ海峡近辺にはうようよしています。
 一昔前の海賊の狙いは、貿易船の積荷や船体そのものでした。しかし最近では単純にお金が目的です。だから船側も、「海賊に襲われたときに差し出すためのお金」が船長室に保管してあるのです。下手に抵抗しても殺されるだけですし、差し出すものが何もなくても逆上させてしまうからです。そして奪われたお金は保険で返ってくるという仕組みです。実はこの仕組みは海賊側にもありがたいもので、貨物や船体を奪っても、お金に変えるのは非常に大変です。下手を踏むと足がつきます。そんな手間とリスクを考えるなら、小額であっても現金の方が都合が良い。
 しかしながら今回は身代金目的の可能性も高いとか。安全対策*1について考え直さなくてはいけないよね。来週入港予定の船に一昨年海賊に襲われた船があるので、そのときの船員が乗っていたらまた話を聞いてみたいと思います。

*1:昨年改正SOLAS条約が施行されてから外国貿易船の保安対策は強化されたが、あんなもの馬鹿みたいなものだ。船に乗り込んでくる人全てに名簿に記入してもらったり、荷物検査をおこなったりする。でも本当に海賊やテロリストだったりしたら、乗り込んでこられた時点で既に手遅れじゃん。どうして法律ってのは、現場の仕事を増やすだけで何も安全に貢献しないのだろう?