世界史? 必要に決まっているだろう。

履修漏れ騒動の中でよく聞かれたのが「必要ないから」という言葉だ。もちろん受験にという意味なのだが、これを聞いてなんとなく寂しい気持ちになる。
騒動が起こってから今では随分と時間がたったため色々な科目が各地で未履修だったことが報じられているが、初めに話題となったのは世界史だ。確かに受験科目としてはほとんどの大学では社会が一教科しか必要ないのも事実だし、実際受験科目以外の科目に力を注ぎたくないというのも正直な本音だと思う。私の受験科目は世界史だったので、もう一つの社会である地理なんて、これっぽっちも勉強しなかった。三学期の期末試験だけ、赤点逃れのために少しだけ勉強した。でも地理は「受験科目でない」だけであって「必要のない学問」ではなかったはずだ。それはもちろん世界史も同様である。個人的には、世界史は特に重要だと思っている。*1


実は世界史を勉強していない人も、世界史という科目の恩恵は受けている。多くの人が勉強しているため、基本的な世界史の知識はある程度常識として世間に出回っている。だから世界史を勉強していない人も、日常生活を送っているなかで多少の知識なり雰囲気なりといった世界史的感覚を身につけることができるのだ。


世界史的感覚が身についていないとどうなるのか。お隣○国やアジアの大国○国を見てみるといい。あの国では高校卒業までに国史しか学ばず*2、世界史を勉強するのは大学でその道を専攻した者だけだと聞いたことがある。もちろんそれは国家戦略の一環なので、勉強してないことそのものを悪いと言うことはできないが。

*1:もちろん、小中学校である程度の日本史と地理を既に学んでいることが前提だが…。

*2:もちろん教科書は国が作成した一種類のみ。