これだから官庁ってやつは・・・

 せっかく会社からなので、現在の時事ネタ関連の話を私の仕事とからめてひとつ。
 今話題の北朝鮮問題の影響で、保険をかけていない全ての外国船が入港禁止にされてしまう。北朝鮮船籍の船が国内で座礁して油を流出した際にも、北朝鮮の所有者が保険をかけておらず、油と船体除去のために莫大な費用が地方自治体と国の負担になってしまった。こんな事件は過去に何件もある。迷惑な話だ。今回の北朝鮮との騒動がなくとも、保険をかけてない船舶は入国できないようにするべきだと思うので、まぁよいきっかけになったかなとも思っている。手元の資料にある船籍別保険加入率を見ると、北朝鮮はわずかに2.5%。*1北朝鮮の船はほぼ全て入国できないことになり、それなりの経済制裁的効果も望めるだろう。なかなか国はよい決断をしたと思う。
 しかし。実務レベルでの処理は全くおそまつな話で・・・。まず、仕切っているのが運輸局(国土交通省)。我々に対して実務説明が行われたのが2月24日午後。対象となるのが3月1日以後の入港船。事前通報は入港前日の正午までに行うこと。つまり、3月1日入港予定の船舶に関して我々が準備を行える期間は、土日を除けばわずか一日半��( ゜Д゜) しかもこの事前通報って、海上保安庁に提出しているもの*2と9割方同じ内容なんですけどねぇ。
で、挙句の果てに説明会での運輸局側の発言。「保険未加入で入港不可の場合でも、運輸局としては勝手に入港してきた船舶を止めることは出来ません。」��( ゜Д゜) 我々にここまで負担をかけておいて、結局日本は守られないじゃん。どうせ事前に止められないなら我々の負担を増やしたりせずに、入港後に勝手に訪船でもして調べてくれ。それか海上保安庁に全部任せとけ。事前通報先が一箇所で済むから。

*1:他の主だった国を挙げると次の通り。パナマ:88.1% リベリア:90.4% 韓国:65.3% 中国62.6% アメリカ:83.2% イギリス 55.5% ドイツ 74.2% あれ、この資料日本が載ってないね。

*2:2004年7月から施行されたSOLAS条約に基づく法律。こちらは日本入域24時間前までに通報義務あり。