男女平等ってほんとに難しい。

 社会で男と女は平等に扱われているだろうか。まだまだ女性にとって不利な社会であると多くの人は思ったり感じたりしているかもしれない。しかしそれより先に考えなくてはならない問題がある。それは、「何をもって男女が平等であるとするか」ということである。
 私は外国貿易船を相手にする仕事をしている。当然のことながら船に行かなくてはならない。10人20人の外国人しかいないこの空間に*1、もし女性社員を一人で行かせたとしたら果たして平等だろうか。それならば逆に、土日昼夜を問わず現場に行かなくてはならない男性社員と現場に行かなくてもよい女性社員が同じだけの給料をもらったとしたら、それは平等だろうか。男性と同じだけ働いて出世したいと思う女性もいるかもしれないが、給料が安くても出世しなくてもいいから女性と同じだけしか働きたくないと思う男性だっているはずである。大抵の会社では男女どちらにも選択権はない。
 男女に区別は必要だけれども、差別との線引きは極めて困難だ。できるだけ多くの人が平等だと感じる社会にしていくにはまだまだ皆で考えていかなくてはならない。

蛇足:日本人は「結果」の平等を望み、アメリカ人は「機会」の平等を望むという。

*1:もちろん全員男性。しかも船という特殊な空間であるため、ほとんどの船員は数ヶ月もの間、女性と接する機会はない